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IADC(国際掘削業者協会) Advanced Rig Technologyの会議に出席

IADC(International Association of Drilling Contractors 国際掘削業者協会)の会議に出席した。

開催日:9月16日~17日
開催場所:Moody Gardens Hotel ,テキサス州ガルベストン
会議内容:Advanced Rig Technology

Moody Gardens, Galveston, TX
青いピラミッドはアクアリウムで右後方のグレーに見えるピラミッドは植物園。この一角のリゾートホテルが開催場所となった。

今迄、フランクフルトの国際書籍見本市、テキサスオースティンのブックフェア、国際フランチャイズExpo、全米外国語教師のカンファレンスなどに出た。何れの会議でも参加者、出展者、スピーカーの言っている事が理解できない事はなかった。

今回は言語とは関係なく内容が分からない事が予想できたので出席前に石油掘削業界の用語と業界プレイヤーを調べ、送られてきたロスターに目を通して予習をした。分からない事が沢山あった。しかし、スピーカーの話が面白くないかと言えばその反対で興味を掻き立てられるものが多かった。内容は石油掘削の自動化に関わるもので、実例を使ったケースを発表することが多かった。

デイヴは複雑なジャッキアップ型のオイルリグ自動化のリクワイアメントをSystems Modeling Languageを用いて明確化するというテーマで講演した。現在進行中のコンサルティングの体験を基にしたものだ。英語のタイトルは
"Untangling the Automation - Untangling the Spaghetti of Requirements Using SysML"

25分の発表の後、10分程度の質問時間が充てられていたが、このやり取りが面白かった。
質問のある人は会場前方に立てられたマイクまで行って、名前と会社名を言ってから質問をする。大抵は

  • 「大変興味深く、有益な情報だった」と挨拶した後
  • 「○○についてはどう考えるか、私の体験では□□だ。サンプル数につてはどうなっているのか」と言うような質問をする
すると、
"That's a very good question."と発表者は初めに言って、

  • 「サンプル数にはついては○○です。○○についてはデータを持っていないので言えません」などと答える
発表者にとっては質問や意見が多いのはその発表が参加者に注目されたという確認になり、質の良い質問はとても有りがたいモノと捉えられているのだろうと感じた。

日本人も何人かは参加するのだろうと予想していたが約300人の参加者名簿には見当たらず、大半がアメリカからで、その他はサウジアラビア、ドイツ、カナダ、イギリス、ノルウェー、デンマークからだった。

多くの人がスーツにネクタイをばっちりしていて、Tシャツにスニーカーを履いて現れるような人は見当たらず、カジュアルでも会社のロゴ入りのポロシャツがいいところ。髪の毛はグレーか頭皮がぴかぴかのノーヘアーが多く、ロングヘアーやポニーテイルは皆無。会場は黒とグレーで染まっていて、女性は私を含めて10人以下だった。

油田は多くが危険な場所にあり、どんなに科学やデータを駆使した所でギャンブル性を否定できない。多額のお金も動き闘争的ロマンティシズムが掻き立てられるのは今も昔も変わらないだろう。他の産業と比較すると、自動化の進行度が遅い産業らしい。業界紙などを読んで、
「今のところ掘削業者は掘削時間の費用を胴元のオペレーターと呼ばれる巨大石油会社にチャージするようになっているのだから、効率化して掘削時間を短縮するモチベーションは低いのではないか」とデイヴに根本の所を質問すると、
「それは確かにあるが、自動化を一社が進めればビジネスモデル自体が変わる筈だ」と答えた。

また、彼の話ではオイルリグのスペックに女性用のサウナについての項があると言うから、野獣の魂が宿る掘削現場にもひたひたと女性が入り込んで来ているのも間違いはない。コンピューターのマルチスクリーンをじっと注意深く見続けるような自動化が多くなればなるほど女性の活動場所が広がるのではないだろうか。

様々な異なったシステムのインテグレーションは容易なことではない。そこの所が私たちのビジネスチャンスだ。
「コンピューターは常識を持ち合わせていない。やるべきことを明確に指示しないと作動しない。コンピューターは馬鹿である」という箇所をデイヴがカットしたのは冗談を喜ばないかもしれない保守的な聞き手を考慮したためだろう。







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