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4月, 2012の投稿を表示しています

ソフトウェアを作る人(夫)と一緒に、行き当たりばったりの私が仕事をすると

27日にAsatte Pressの新しいオフィスをAustin Oaksに決めて、壁の色、小さなキッチンになる予定の小部屋のフロアータイルの色を選んだ。 不動産屋のエージェント選び、候補を探す、ビルの管理者に会いに行くなどを庶務・雑務係の私が担当した。これ等は手間暇のかかることで、それでなくとも忙しいデイヴがオフィス探しに時間を費やすのはもったいないと考えて、「私がやります」と宣言した。 「但し、候補地のプライオリティーと、スペックを言ってください、後でぐちゃぐちゃ文句を言われるのは嫌だから」 と言うと、彼は10ページの“Real Estate Requirements May 2012"と題されたドキュメントをあっという間に作成して、それを渡しながら、 「これをエージェントに見せて、4枚の質問書に答えを書き込んでもらえ」と言った。 ページをめくると、一枚目は Table of Contents About Asatte Press Requirements Pricing and Service Questionnaire となっていて、それぞれの項目が細分化されていた。よく気が付くよなあ。 今まで、4半世紀を一緒に暮らしてきて、細かい人(よくそこまで気が付くと呆れるほど)だとは思っていた。ある時には出張先のホテルの部屋について電話で延々と文句を言うので、うんざりして聞いていた。私は「別に王様じゃないんだから、そのくらいのことどうでもいいじゃん」と、話を聞きながら心の中で感じていた。そして、爆発した、「よくも、そうチマチマと。。。」と。 すると、驚くことに、それは文句ではなくて、目撃・観察したことを私に報告しているだけの事だった。たまたま、そのホテルが彼のスタンダード以下だったので、否定的なコメントが多く、別に怒ったり、感情的になっているのではなかったのだ、私には不満たらたらに思えたけれども。 普通の人は、「まあ、いいか」と簡単に忘れてしまうことを、ソフトウェアを構築する目で見て考えると大勢に影響がないと思われるような小さなことでも2ページくらいは書かずに済まされないようだ。そういう風にして書かれたモノを 「確かにそうだ、これはおもしろい」と喜ぶ人と、 「要点を一言で言ってくれ、ぐちゃぐちゃモノローグのように説明

Spring Semesterのインターンシップ打ち上げは手巻き寿司で

4月27日、Asatte PressのSpring Semesterのインターンシップは手巻き寿司パーティーで締めくくられた。5人の春のインターンたちに、一部の夏のインターンたちも加わった。 夏の終わりに出版を予定している本にも関係しているけれども、5人のインターンたちとは毎週金曜日の午後にマティーニ、ワイン、チーズ、ソーシャルメディア、若者の間で何が起きているかなどを話し合った。 もちろん仕事もしてもらったわけだけが、フルタイムの正社員を雇うのとは全く扱いが異なり、世代のことも含めて社会学を実地に勉強しているようなものだった。 7人で始まったインターンシップだが、そのうちの2人は直ぐに辞めた。残りの5人は授業や宿題やパーティーの合間を縫ってアサインされた課題をこなして(結果はともかく)金曜日に集まった。また、ITやグラフィック担当者は金曜日の他に、何時間かを我が家のダイニングルームオフィスで過ごした。 ダイニングルームオフィスでのオリエンテーション 何事も踏み台なしに大きくジャンプすることができないように、デイヴと私にとっては、5人に来てもらったことが大きな精神的踏み台になったと思う、仕事の結果はともかく。 仕事の経験が十分でない若い人たちに、仕事をしてもらう。例え、自分でやってしまう方が早くとも、仕事の仕方を習ってもらいながらある程度の結果をだしてもらう。その代わりに僅かばかりだが、お給料を出す。 貰う側にとっては僅かであっても、払う側は身銭を切って払っているのだ。何とか、元を取りたい。 ある時には厳しい言葉で批判して、ある時には優しく励まして続けてゴールに到達してもらう 長いこと、大企業で働いてきたデイヴにとっては、人・モノ・金、リソースの限られた状況でビジネスを展開することには戸惑うことも多かったのではないだろうか。しかし、IBMを辞めて以来、不満を漏らしたことは一度もない。これは精神的にとても良いことだ。何が起こるかわからない、将来への恐れはないわけではない。夜中に目が覚めてしまうことがある。しかし、同時に保険会社がどう保障してくれたところで、生きている人間に絶対確実な、安全な道などあるわけではなくて、どこで何が起こるか予想はできない。一度そう思ってしまうと考え方は違ってくるものだ。 彼らのうち、

話がまとまってAustin Oaksを借りることになった

Austin Oaksのオフィス・スペースを借りる契約がまとまったので、明日契約書にサインをしてくる。 それが終わったら次は家具探しだ。Regusの家具付きオフィスと違って、自分たちで家具を探さなくてはならない。私たちの予算では、おそらく何もかもIKEAになるだろうな。

Austin Oaks のテナント料は一か月$2537

Austin Oaks Floor Plan, 1324SF 先週からオフィス・スペースを探している。だいたい、多くても10人程度(デイヴと私を含めて)が、夏の間に働ける場所で、できればキッチン(簡単な流しと冷蔵庫を置ける場所があること)のあるスペースを求めていた。 ところが、インターンのインタビューをしているうちに、この人を雇わないともったいない、と感じられる人が新たに申し込みをしてきたのと、途中で誰かが「や~めた」などと言いだしたり、病気になることもあるだろう。そういう予期せぬ出来事に備えるためにも少し大目に採っておいた方が置いた方がいいかも、と人数が膨らんでいく。 初めて見たのはBurnet Roadにある銀行の2階と3階だった。何も知らなかったので、「あら、いいじゃない!」と思った。全体が窓に面しているし、近くに安い食べ物屋さんが沢山あるのも魅力的だった。 これはBurnet Roadのオフィス 1502SF、月額賃貸料金$2137 が、問題は車を持たない学生の足がLight Railになるため(近くにバス停もあるが)、River Sideからダウンタウンに出て、Light Railに乗るには随分時間がかかるだろうと思われた。 この学生はシンガポールから交換留学で来ていて、一学期だけテキサス大学で情報工学を勉強している。「期末試験が終わったら、う~んと、アメリカを旅行して、ヨーロッパを回って、それからシンガポールに戻るんだ」などと言わずに、スタートアップの、なんか訳のわからない会社でぎりぎり迄働いて、そして元の大学に戻るというそのガッツがエライ。 交換留学くらいでは、学校とアパートを往復しているうちに終わってしまい、友達を作るチャンスも時間もないだろう(本人もそう言っていた)。 「毎日、同じ場所に来て、同じ年代の人が協力して働くことになるので、絶対、友達ができますからネ」と彼女に言っておいた。そういうわけで、この物件は適当ではなかった。 結局、上のAustin Oaksの4部屋+物置みたいな小部屋を交渉している。その物置みたいな場所に、流しをつけてもらって冷蔵庫が置ければ万々歳だ。ちょっと、予算を上回るけれど(月額$2537と言われた)。自分たちにプレッシャーをかけて頑張るしかない。 どなたか、投資先をお探しの

AustinのレストランCome(米)の場所はCraigslistで探したんですって

今、私はAsatte Pressのためにオフィス・スペースを探している。不動産屋のMattはCraigslist(オンライン大規模ガレージセールのようなもの)で見つけた。とても良い人だ。もう、殆どどこにするか決めたので、後は、ビルのオーナーと交渉してもらうだけだ。うまく行くといいのだけれど。 毎週金曜日はインターンが来る日だ。彼らが帰って、暫く仕事をしてからAirport Blvdに新しくオープンした Come に行った。オープンして以来とても混んでいて入れそうになかったのだが、さすがに閉店直前に入ったらカウンターに席が取れた。先週会った、Kazkiさんのことやら、今までどこのお店で働いていたか、などを店主のあさずさんと話した。その後、 「どうしてこの場所にお店を開くことに決めたんですか」と聞いたら、 「Craigslistに出ていたんですよ、とってもひどい建物が立っていたんです。でも、買うことにしたら、日本の友達だ大工道具一式持って来てくれて、三か月かけてこんな風にしてくれたんです。それから別の友達が壁を塗ってくれたりして。。。この店は友達の助けがあってできたんです」と説明した。 閉店近かったけれども、洒落た若者たちが一杯だった。デイヴは店内が混んでいるのを見て、自分の事のように喜んで「頑張ってエライ」を連発していた。アメリカに94年に来たというから、自分のお店を持つまでに18年が経ったわけだ。エライ。 寿司やお料理を作るだけでなく、使っている人たち(ウェイトレスが7,8人はいたかな、それプラス台所で調理している人)にお給料を払って、マネージして、大変なことだろうと思う。エライ。

Asatte Pressはダイニングルームのオフィスを出る準備をしている

今月末でSpring Semesterのインターンが出ていく。夏休みのまとまった時間に(学校に行かなくて良い時期)フルタイムのインターンを雇うつもりでいる。そのためにデイヴがオースティンにあるUniversity of Texas, St. Edward's University, Austin community College、オースティンから北に車で40分ほどのところにあるSouthwestern University、それにAsatte Pressのウェブサイトにインターン募集の広告を出した。 UTの学生は反応が早く、美術と英語を学んでいる女子学生が第一号でレジュメを送ってきた。その後、毎日のように編集や校正のポジションを求めて文学、哲学、音楽、映画に才能のある(実際話をしていないので断言はできない)学生がレジュメだけではなく、サンプルの論文を一緒に送ってくる。 デイヴはその論文を読むことで、どの程度の「書く能力、考えをまとめる能力」があるのかをインタビューをする前にスクリーニングしている。私は、英語の文法の細部までは批判できないけれども、少なくともどのような考え方をする人なのかを知る手掛かりにしている。 7、8人のインターンが、毎日9時から5時まで家のダイニングルームで押し合いへし合い働くのは物理的に不可能だ。また、私たちだけでなく、全体が日常生活の環境にいると、いい意味での緊張感が生まれないと思われる。そこで、不動産屋さんにコンタクトをして適当な物件を探し始めた。 条件 安全な場所であること テキサス大学のシャトルバスのバス停の近くであること(車を持たないインターンのため) 広さは1500平方フィート前後 AustinのNorthwest地区であること。ダウンタウン、Round Rock、大学キャンパス付近は朝夕の通勤時の混雑が予想されるので避けたい。Northwest、特に我が家の近くのArboretumはハイテク企業が集まり、様々な観点から望ましいのだが、借り賃が高い。Arboretumではなくとも、Northwestにあるスペースを探したい。 前の借り手が誰だったか、今、入っているテナントが誰かを見てみたら、そこに産業の変化を見ることができた。 大手銀行が一階に入っているビルの二階と三階は

Austin, Texasでオーガニックの日本酒を造る若い杜氏

Sake tasting and Music Party  オレゴン出身の若い杜氏、Yoed AnisがAustinで始めた Texas Sake Company (テキサス酒造とでも言ったらいいか)のパーティーがあった。 杜氏 (Sake brewmaster)Yoed Anis(left) and his guest   Austinのスローガンは"Keep Austin Weird"だ。人は積極的に良い意味での奇抜さを受け入れ、大切にしている。その文化と気風は音楽、ゲームデザイン、ハイテック産業にぴったりしていて、そうした気質やタレントを持つ人々が他の土地から集まってくる。 その中心には若者が集まるテキサス大学がある。 若い杜氏もテキサス大学出身で、大学の新聞、The Daily Texanが 「卒業生が土地の材料を使って酒つくりを始めた 」と彼のことをリポートしている。去年の10月、初めてできたお酒を流通させる直前のことだ。 若者の特権は過去の権威や常識に囚われずに新しい視点で物事とを見ることが許されることだ。それに研究心が重なれば「いいとこどり」して独自のモノを作り上げることができる。彼の場合には、テキサスで収穫されるコメを使ったこと、文献を調べて古い伝統的な酒造方法をとったことだ。集まった人々に、1900年代初頭に日本人がテキサスに来て、日本米のタネを紹介したと話した。。。。ふむふむ、なるほど。アルコール含量、温度の調整などの話はデイヴが興味深く聞いていた。 彼の酒つくりの哲学でもあるらしいけれど、米粒の皮を削りに削って中心部だけを使って作るようなモノは自分はやりたくないと言った。テキサスで作るからにはテキサス米の持ち味を生かした、BBQと一緒に飲んでも負けないパワーのある酒をつくりたいのだ。純米大吟醸を作ったところで、テキサスでは取れたての魚は手に入らない。清酒とにごり酒と両方を試した。水のようにすっと入るスムーズなお酒とは違って、しっかりとしたフレーバーのある(表現力不足)味わいがあった。 また、驚いたことに、酒かすはねっとりしたクリームチーズの塊みたいなものではなくて、ぱらぱらしていた。 Sakekasu プレス機で紙の

Black Star Co-op , Austin  チップを断るパブがアメリカにあった!!

Black Star Co-op, Austin, Texas A community owned brewpub アメリカのレストランではサーバーにお勘定の15~20%のチップをあげなくてはならない。これは収入があったら見合った額の税金を払わなくてはならない、のと同じくらいの社会常識だ。だから、 「 うちはお客さんからチップを受け取りません 」 と、お店の人に言われたら、びっくりする。魂消る(たまげる)という言葉のほうが当たっているかもしれない。 昨日の夜に行ったBlack Star Co-opのパブでは、全くチップを受け取らない。注文を受け付けるカウンターにドル札が入っている大きなガラスのびんもないし、クレジットカードでの支払い用紙にチップの欄もない。 それはお店がコープのメンバーによって支えられていて、サーバーや注文を受け付けている人が普通のレストランの従業員のような賃金制をとっていないからだ(と思われる)。一部の企業家やオーナーができるだけ儲けを吸い上げる、というよりはもっと民主的な匂いがする。 我が家の長男は韓国料理・寿司バーでサーバーをしている。はっきりと訊いたことはないが、時給はたったの2ドルくらいじゃないかな。 「チップは自分のものになるんだから、せいぜいお客さんにいいサービスをしてチップをはずんでもらいなさい」と、どこのレストランやバーでも政府が決めている最低賃金以下でサーバーを雇っているのは、これも常識のうち。機嫌の悪いお客さんが「君はオーダーをちゃんと取らなかったから」と言って、チップゼロということがあったらしいが、そうなると殆どただ働きだ。また、頑張ればそれに見合う報酬があるからと言われても、お客さんが来なければ稼ぐチャンスもない。何時間も拘束されて全部で10ドルくらいにしかならないと嘆く日もある。 「そろそろその業界から離れる時期じゃないか?」と彼に言っているが、様々な体験を通じて学ぶことも多かったのではないだろうか。 Black Star Co-opでは、お客も働いている人も、店のオーナーであるメンバーたちも同等の立場で、このスペースを共有しているような気がする。言い表しがたいが、来ているお客の質が他のお店とは違うようで、主流は30~40代、小さな子供連れもいる。昨日は

Asatte PressのITインターンは大企業からオファーをもらったという。おめでとう!

この二月からインターンとしてAsatte Pressで働き始めた六人はその後どうなったか。一人は交通手段(車)の手配が思うように行かずに(ほかにもっと理由があるかもしれない)直ぐに辞めて、その次にはグリーンカード(永住権)取得が、究極の目的で、あまり仕事に興味が無さそうな声の大きい女性大学院生が辞めた。「9時から5時の仕事が見つかった」と言っていた。良かったネ、お互いのために。 この先、三週間もすれば学年末試験がやってくるので、インターンシップももうすぐ終わりだ。ある学生は卒業し、進級する学生は夏休みをどう過ごすかが問題になってくる。 一月末のインタビューの時点で、「この人には是非働いてもらいたい!」と思ったITを勉強している大学院生がいた。その印象は当たっていて、デイヴに言われた課題を確実にこなしていった。ビジネスを広げて行くためには、この人に一緒に働いてもらいたい、何とか能力に見合うお給料を確保して、卒業したらきてもらいたいとデイヴがそれとなく彼に話していたらしいが、結局、サンフランシスコにある会社から、グリーンカードのスポンサー付きで引き抜かれた。もちろんお給料もすごくいい筈。おめでとう! う~ん、分かっているけれども、残念。デイヴがテクニカルな話や、ビジネスの展開を話すとちゃんと理解して、関連する情報も提供してくれた。 もう一人のITのインターンは夏の間、若者の憧れであり、敵でもあるようなウォールストリートの投資銀行の一部門で働くことになっている。二、三週間前にデイヴのところに会社の人事関係の人から電話があって、彼のことを質問してきた。 デイヴは若者を真面目に鍛える人柄なので、若者は「インターンシップで何をしたのか、何を学んでいるか」を具体的に話すことができるはずだ。それはジョブインタビューで非常に重要なことだ。テクノロジー、IT関連の仕事に限らず、ジョブサーチでは経験が何にも増して重要視される。実際に仕事をして、何を見て、何を経験して、何を考えたかをインタビューする人は聞きたがっているようだ。だから、ゴマ粒のような小さな会社であっても、ソフトの開発に長年携わってきた人が、ハンズオンで教えてくれているのだから、新しく雇う側の会社にとっては、「本当の経験」をしてきたと、見ることができるはずだ。 私は傍で見ていて、デイヴはインターンに教えるこ