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8月, 2014の投稿を表示しています

「人に強くなる極意」佐藤優 

一年前に買って、読んで感心して忘れて、又読み返して、今度は本に従って実行しようと思った。 怒らない びびらない 飾らない 侮らない 断らない お金に振り回されない あきらめない 先送りしない と題された8つの章で本は成り立っている。「人に強くなる極意」と言うと、人を蹴散らかして、動的に強く生き残るためににはどうしたらよいかを説く指南書のように聞こえるが違う。むしろ、静かにクールに様々な出来事に対処できるような頭を持つためにはどうしたらいいかを8つの視点から教えている。 怒りとは何か、びびるとはどういう事か。 何故怒るのか、びびるのか。 怒るとどうなるのか、びびるのは何故不利なのか。 そのようにならないためには何が必要で、どのような考え方をしたらいいのか。 感情という自分の中に抱えるモンスターをいかに飼いならすか。 流石に元外務省の情報分析官だけに著者の方法は論理的な分析に尽きる。例えば、怒りが沸いてきた場合、それが何処から来ているのか。コンプレックスから出ているなら、何故コンプレックスを持つのか、それを第三者的に分析して紙に書き出していく。そうするうちに冷静になって、違う見方ができたりする。切れて暴走せずに、心のギアをどのようにシフトさせるか、そのアイディアが出されている。 「先送りしない」の章では冒頭で、物事には「先送りしていいもの」と「先送りしてはいけないもの」があると、当たり前だがホッとできることを断言している。そして、つい先延ばししてしまう、そのメカニズムを説明する。 行動経済学の「時間割引率」という説明はなるほどと思わせられ、これがギャンブルとも関係しているというのも面白かった。 先回りではなく、先送りの得意な私は過去、締め切り間際にやっとこさ間に合わせた経験が何度もある。十分に時間を見積もってゆったりと事に望めばいいものを先送りして大慌てで作り上げたりする。 つい最近もあった。9月にテキサスのガルベストンで開かれるIADC(International Association of Drilling Contractors)のコンファレンスで配布される出版物に載せる記事をを半日で仕上げたのだ。デイヴはスピーチと記事を頼まれて、私はグラフィックをする事になっていた。締切日から逆算してギリギリの予定を立て

Texas Sake Companyは日本酒を造り続ける

6月に蔵を閉じるとお知らせ を出したら、(残念がった)ファンや投資家がチームに加わって、酒造りを続けることが可能になったという。めでたい。 継続のお知らせ ------------------------------------------ 2015年3月29日 新旧のテキサス酒蔵の日本酒を並べてみる。左は古いラベル。右の黒ラベルは新オーナーになって、味も変えられた。

清掃会社で働く人に博士号を持つ人が多いと言うのは本当だろうか

ハンサム系で、明らかに毎日筋トレを欠かしていない20代後半か30代の男性がオフィスのゴミを集めに来る。こう言っては失礼かもしれないが、もう少し「素敵な」お仕事に就けるのではないか、と初めて見た時に思った。 そう注目したのはおばさんの私だけで、私と一緒にオフィスにいる男性軍は全く注意を払っていない、そして私の疑問を一笑に付した。 この前、その人が廊下で電話をしていたのだが、何語を話しているのか分からなかった。馴染みのある言葉ではなかった(ストーカーみたいだけれど、話し声は否応なく耳に入ってきた) そんな時に、主に若いテクノロジー系の人たちが「教えて」と質問して答えあうウェブサイトの http://www.quora.com/ に、こんな質問が載っていたのを目にした。 How come there are ~5,000 janitors who hold PhDs in the U.S.? 博士号を持っているのに敢えて掃除人を選ぶ人はそんなに多いの?とも言えるし、それだけ?とも言える。それに対して宇宙物理学者がなるほど、と思わせる答えを出していた。 ちょっと憎たらしい答えだった。 博士号を持つ宇宙物理学者として言うのだが、清掃サービスを将来の職業にしたい。まず、投資銀行でうなるほどのお金を作って、それからになるけれども、掃除人は完璧な仕事だと思える。何故かと言えば、 医学や法科大学に進んだ場合、それはもう医者か弁護士になるしかない。学校に行くのに莫大なローンが残るので掃除人に(なりたくとも)なれない。物理などは博士号を取るのに借金をする必要が殆どないから、後でな~んにもしないで海辺で寝そべっていてもいい。 実際、何人か掃除人をしている人を知っているけれども、彼らによれば、仕事は実に簡単だ。さっさと仕事を終えてもちゃんと8時間分のお金を払ってもらえて、大抵は夜の仕事だから誰にも煩いことは言われない。次の朝にきれいにさえなっていれば、実働時間は誰も気にも留めない。 物理の学説を考えながら掃除を一緒にできる。モップを動かしながらだったら場の量子論を考えるのも可能だが、靴を売りながら、ハンバーガーをひっくり返しながら、あるいはタクシーを運転しながら考えるなんて無理だろう。 掃除人がポカーンとした顔をして

アメリカで中島京子さんをKindleで読む

長年に渡って買い集めた本の処分に音を上げた私は「 本を捨ててiPadだけにしてしまいたい」 と去年引っ越しの時に書いた。 しかし、同時に本のデザインに興味を持ち、紙をめくる感触なども捨て難く感じているのでe-Bookに踏み切れないで、ぐずぐずしていた。我が家の20代の子供たちは既に電子ページを読む方が普通になっているかもしれない。 デイヴがシンガポールの紀伊国屋から中島京子さんの「小さいおうち」をお土産に買って来てくれた。面白くて一挙に読んでしまった後、彼女の他の作品の入手方法を考えた。 1)オースティンの日本人で本を持っている人を探す 2)テキサス大学の図書館に行って探す 3)アメリカの紀伊国屋でオンラインショプ 4)日本の家族に電話か手紙(Eメールのやり取りができない)で頼んで買って送ってもらう 何れも手間暇と経費がかかるか、人様の手を煩わせる方法ばかりだった。ふと、Kindleではどうなるか、と思って調べてみた。 日本のアマゾン、Amazon.co.jpで、アメリカの住人として買おうとすると、地域の制限に引っかかってしまいダメだった。それではと、日本の本籍を住所欄に入れるとあっさりと受け入れられる事がわかった。 支払いはアメリカのクレジットカード(少なくともAmex CardはOK)でかまわない。海外でのカード使用代がかかるが、5セントとか、15セントくらいの単位だ。1冊が5〜6ドル程度で入手できる。それに、文字の大きさを調節できるのが(老眼には)嬉しい。 中島さんのFutonにはお金を払ったが、一緒に買った田山花袋の「布団」はゼロコスト。この他、文豪と称される過去の方々の作品は多くが無料でダウンロードできることが分かった。もう、その辺の本屋の棚には置かれていない昔の本を軽く読み流すことができるのだ。幸せです。 Kindle Book Storeで買ったe-bookはiPadでも勿論読むことができる。 -------------------------------------------------------------------------- 8月19日 Futonには花袋の「布団」が付録として付いている事を後で知った。 紙の本と違って、読み出して、ちょっと一息ついて、あとがきをちらっと見て、ふーん、