一年前に買って、読んで感心して忘れて、又読み返して、今度は本に従って実行しようと思った。 怒らない びびらない 飾らない 侮らない 断らない お金に振り回されない あきらめない 先送りしない と題された8つの章で本は成り立っている。「人に強くなる極意」と言うと、人を蹴散らかして、動的に強く生き残るためににはどうしたらよいかを説く指南書のように聞こえるが違う。むしろ、静かにクールに様々な出来事に対処できるような頭を持つためにはどうしたらいいかを8つの視点から教えている。 怒りとは何か、びびるとはどういう事か。 何故怒るのか、びびるのか。 怒るとどうなるのか、びびるのは何故不利なのか。 そのようにならないためには何が必要で、どのような考え方をしたらいいのか。 感情という自分の中に抱えるモンスターをいかに飼いならすか。 流石に元外務省の情報分析官だけに著者の方法は論理的な分析に尽きる。例えば、怒りが沸いてきた場合、それが何処から来ているのか。コンプレックスから出ているなら、何故コンプレックスを持つのか、それを第三者的に分析して紙に書き出していく。そうするうちに冷静になって、違う見方ができたりする。切れて暴走せずに、心のギアをどのようにシフトさせるか、そのアイディアが出されている。 「先送りしない」の章では冒頭で、物事には「先送りしていいもの」と「先送りしてはいけないもの」があると、当たり前だがホッとできることを断言している。そして、つい先延ばししてしまう、そのメカニズムを説明する。 行動経済学の「時間割引率」という説明はなるほどと思わせられ、これがギャンブルとも関係しているというのも面白かった。 先回りではなく、先送りの得意な私は過去、締め切り間際にやっとこさ間に合わせた経験が何度もある。十分に時間を見積もってゆったりと事に望めばいいものを先送りして大慌てで作り上げたりする。 つい最近もあった。9月にテキサスのガルベストンで開かれるIADC(International Association of Drilling Contractors)のコンファレンスで配布される出版物に載せる記事をを半日で仕上げたのだ。デイヴはスピーチと記事を頼まれて、私はグラフィックをする事になっていた。締切日から逆算してギリギリの予定を立て
Texas Hirame at Asatte Press Inc, Austin,Texas