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6月, 2012の投稿を表示しています

12月まで全く収入が無いとしたら。。起業につきものの無収入状態

インターンたちが帰り、静かになったオフィスでデイヴが 「財政的な話だけど、12月まで全く収入が無い場合は、、、」と切り出した。来週は東京に行くので、その準備に忙しいのだけれど、その関連で財政の話になったのだろうか。別にお金が入ってこない起業は今回が初めてではない。 子供が大きくなって心配がないのと、年取ってきて前頭葉が硬化して恐れというもの少なくなってしまったのか、「ふ~ん、困っちゃうかもね、でも、本を売ってなんとかしよう!」と超楽観的にしている。やるものはやったし、本当に困ったら裏庭に鶏を4,5羽飼って卵を産ませて食べてればいい」と言うのだが、本音はやっぱり何とかしなくちゃと思っている。取りあえずは製品第一号となる本を完成させて、それをもとに動き出すことが大一番だと思う。 今のご時世からすれば、同時に開発しているAppの完成を早めることの方が重大かもしれないけれども、 手に取って 見られるものをビジネスの軸としたい。On-Demand、PDF出版をするにあたり、デイヴは今現在あるソフトの弱点を実際に使ってみて知った。それを今、自分で書き直している。 ハイテク大企業を辞めて一年が過ぎたが、あのままIP[インテレクチャル・プロパティー)の行商をしていたら、早晩、会社のではなく、自己のIPの先細りが訪れていただろう。その点からしても会社を辞めて正解だったと、私は感じている。 私も還暦を過ぎているのに、ゆっくり「お買い物、観劇、海外旅行」の日々からは遠く、フォトショップをねじり鉢巻きで24/7している。写真を撮ったり、頭を叩いて本のスプラッシュページのアイディアが湧いてくるのを待ったり、気分的に休めない。が、一緒に働いている若者たちに、下絵というかドラフトを見せて、 ” Sweet!"などと言われると、一気にエネルギーが満ちてくるのが分かる。 今まで、「使うお金が無いから、貯めなくちゃいけない」と将来のために数字を計算ばかりしていた。しかし、よくよく考えると、その数字はある意味で真に不確かな、人間が頭で考えだしたものである。お金というのは、モノの交換、将来のモノの交換をお互いに可能にするもので、信頼が失われてしまえば一挙にその数字は意味を亡くす。もしかしたら、ゼロが何個も何個もついた数字を蓄えていたところで、「あなたは嫌いだから、あなたに

月曜のポットラックと水曜日のランチ。食べることばかり

Potluck Lunch at the Office 社長が食いしん坊だと社員に伝染するのか、若い学生たちは食べることに熱心だ。月曜日のポットラックはパスタ、野菜盛り合わせ、果物、チャーハン、八角の風味が効いた牛肉、アイスクリームケーキなどが集まった。私は予定通りにおにぎり、今回は天結びを持って参加した。 食べながら何がヘルシーか、どこのレストランの何がおいしいかなどが話題になる。料理好きで、チキンサラダにクランベリーなどを入れて楽しんでいる男の子は、何がおいしいか話しながら本当に嬉しそうな顔をする。ランチの時間は一時間以内で、さっと片付けるとコーヒーやお茶を自分の席に持って行って、すぐに仕事に取り掛かる、というか、実際は大声でマーシャルアートやウェイトリフティングの話をしているのだが、それから急に沈黙する。デイヴの東京行が迫っていて、終わらせなければならないことが多いので、今週はだべっているいる場合ではないと誰もが緊張しているようだ。 今日は水曜日。私がランチを提供する日。 月曜日の残り物が冷蔵庫に沢山あるので、それを消化しつつ、 ブイヤベース ブルスケッタ チーズブレッド、ガーリックブレッド、バゲット パイナップルとマンゴー というメニューにした。 普通の日は自分で持ってきたランチを自分の席で食べているけれども、水曜日と金曜日のお昼は揃って会議室に集まって一緒に食事をする。全員、仲良くなって一番初めのお給料日にはZ Tejasのハッピーアワーに繰り出したみたいだ。社長は「俺も、俺も仲間に入れてくれ」と言いそうだったけれども、こらえた。 私が働き始めた頃は高度成長期で、若い社員が多く、毎日が楽しかった。不要な競争をすることがなく、同僚は友達であり、一緒に頑張る仲間だった。夏休みが終わってしまえば、それぞれが元の学生生活、或いは職探しをしたりするのだろうけれど、「あの一夏は、インターン全員がゴール目指して一緒に働いて、よく食べて、話して、アイデアを出し合って、とにかく楽しかった」と、後で思い出してもらえれば幸いだ。

On-Demand 出版。本の出版の敷居が格段に低くなったが。。。

出版社に「こんな本、とても売れそうにありません」と断られる前に、自分でさっさと本を出版してしまうことが可能になっている。一冊だけ自分のために、または、家族と友達とのために合わせて30冊、いっそ1000冊印刷して一般に売ってみたらどうか。売れたら、もっと数多く印刷して、単価を下げて儲けを大きくすることもできる。初めにドドーンとギャンブル的に出版せずに、ちょびちょび様子をみながら印刷できるのがOn-Demand方式のメリットだ。 デイヴと私が企画した本を、先週の木曜日に320頁のPDFファイルにしてLightning Source(出版社のInglamの子会社)のWebにアップロードして、注文を出した。どういうわけか、その同じ日には本のカバーのイメージは受け付けないというので、翌朝、金曜日にカバーだけをアップロードした。 やれやれ、終わった。これで気分的にゆったりできる、と思ったら、その320頁分が付き返されてきた。 「インクの総使用量が240%を超えているページがあって、印刷リクエストを受け付けられない。黒インクの制限が何%だったか、それもとにかくそれを超えているページがある」という説明なのだ。  ?????? ショック ページのところどころに入っている写真は問題はないだろう、トラブルは私が作った「クール」なスプラッシュページだろうと直感した。それらは確かに黒が多く使われていた。若いグラフィックの男の子たちに見せると、 ”Sweet!"という反応が返ってきて、ちょっと嬉しかったりもした。でも、土壇場でこんな風な展開になるとは思ってもみなかった。 科学的な詳細はわからなかったけれど、想像するに、コンピューターモニターと違って、印刷するという行為は物理的にインクを紙の上に置いて文字や形を作り出し、それを乾かさなければいけない。白い紙の上に黒い小さな円を描いても問題はないが(紙がインクを吸い取るという点に於いて)、黒いバックグラウンドに小さな赤い円を描いて、その赤い丸の中に青い丸を描いたりしたら、紙中インクだらけになって、インクがうまく吸い取られる前に色と色が重なったり、にじんでしまうことは容易に想像できた。 ミントマティーニを暗い影の中に置いて、緑のフレッシュミントに光を当てた、若者がSweetと言った、その写真などは色を変える(黒

ライフスタイルを見せることが今は大きなビジネス

Homemade Cordials 「アプリコットにクローブを刺したもの、レモン薄切りとカルダモンをビン一杯にしてブランデーを注ぎ自家製のリキュール(liqueur 或いはcordial) を作っています。それを写真に撮ってみました。皆さんも是非、お試しください」などと、ゆったりライフスタイルを楽しむ状態にはなくて、このところ朝7時から夜中の1時近くまで働いている。 それがずっと続いている。明日で何とか一段落がつきそうだ。というか、否が応でもそうしなければならない。デイヴと本を作っている(書いているというよりは、ソフトウエア開発みたいに作るという方が近いような気がする)のだが、若者たちが加わったら思わぬ方向に進んで行った。 デイヴと二人だけで本のプロジェクトを開始した時にはドライヒューモア満載だったのが、シリアスなHow-toものに変わって行って、それも若者にライフスタイルを伝授するような感じに進んでいる、この私たちが。それは、App開発のアイデアが本の中身を変えたともいえる。と言って、私が急にマーサ・スチュワートになれるわけがない、、、。私がライフスタイル風にしなくてはならないのには理由があって、商標やIP問題を起こしてトラブルになるのを防ぐためだ。 本の中で、リキュールに触れる章があって、写真を載せようとしたのだが、勝手に有名なリキュールの写真を使うわけにいかない。そういう事が分からずに、初めは「ダウンロードして、コピーするのはまずいけれども、お金出して自分のモノにしたら、その写真位撮って使ってもいいでしょ」と言っていたのだが、デイヴがIPの行商をしていて、その辺りに詳しいので、地雷を踏むのを避けている。そうこうするうちに、自分でおふざけリキュールを作って、それらしい名前をつけて笑っている。写真を撮るだけのために、この他、ビール、ウィスキー、ジンなどのラベルも作って、びんに貼って写真を撮った。 右の青いビンに青っぽい顔のマークが見えるがそれはデイヴの顔を使った。明日、取りあえず、ドラフトを印刷会社に送って、10冊程度、見本のように本にしてもらう予定だ。明日を目標にしてきたのは、7月初旬に東京で開かれる本の見本市に行く時に一緒にもっていくためだ。まだ、とても行商(商談)するまでには至らないが、日本の友達に見せたいらしい。 昨今はピントレ

水曜日のフリーランチ

Googleのカフェテリアはすごいんですってね。社員はただで、いつでも好きなものが食べられるらしい。実際行ってみたことがないのでわからないけれども若い子たちがそう言っていた。 想像するに、社員がわざわざ外にでかけて、時間をかけて「どこに行こうかなあ、何を食べようかなあ、すし、それともイタリアン」と悩んで無駄に時間を過ごさなくて良いようになっているのだろう。社員が悩むその20分や、駐車場を横切る15分が何百ドル、ことによると何千ドルにもなるのかもしれない。 Googleに負けまいと対抗意識を燃やしたわけではないけれども、Asatte Pressの福利厚生、施設、その他もろもろ担当する私は毎週水曜日にお昼ご飯を作ってインターンたちに出している。 今日のメニュー リガトーニ ローズマリーチキン トマト、アボカド、きゅうり、モッツアレーラチーズのサラダ ラタトゥーユ さくらんぼ、マンゴー バゲット 先週は中国からの留学生に故郷の味を、というわけで 麻婆豆腐 ベジタリアン蒸し饅頭 バクチョイのいためもの 焼き手羽先 ごはん メロンとマンゴー 女の子が半分で、そのうち一人はベジタリアン。そのため麻婆豆腐も肉入りと肉なしの二種類を作った。食べることが好きな男の子二人は今日のメニューでもしっかりとラタトゥーユを知っていた。デイヴは 「グチャグチャして歯ごたえのないものは嫌いだ」と食べない。 「ローズマリーチキンを狙っていたけれども、自分のところに来る前に無くなってしまった。もっと肉関係を充実(肉の量を増やせ)させて欲しい」という希望を出した。

Cloud Computing

Macが強い。10人のインターンが会議室に座ると、MacBookのリンゴが7つ並ぶ。実は私も白いMac Bookを持って出社する。これは、ただただ もったいない から使っているだけで、若者の仲間入りをしたいからではない。 今年に入って、我が家は3台新しいコンピューターを買った。私のデスクトップ、デイヴのデスクトップ、それに薄くて小型のSonyのノートブック。これは息を飲み込むほど高かったけれども、まあ、商売柄しかたがない。会社を起こして、更に2台のデスクトップを買ったので、私は使われずにチャージされっぱなしのMacをオフィスで使うと宣言した。 Macは使い慣れないので、何かこう、しっくりしない。切れの良い包丁からナイフに変えただけで、野菜の切れ味に不満が残るような感覚かも。ディレクトリーのシステムが使いにくい。家で、ドドーンと横長のスクリーンに向かって作業をするのが当たり前になると、その半分ほどの大きさのスクリーンを一日中覗き込むのが辛い。若い子たちは最早、マウスというものを使わない。指先をするする擦るだけで、複雑なイラストレーションもしてしまうし、感心して見ている。 Cloud Computing???  Crowdsourcing???  その上、Cloud Computingと言うコンセプトを飲み込むのに、ちょっと時間がかかった。本当のところ、ちょっとどころではなくて、かなりの時間がかかった。空の上を浮いているように、どこにあるのか、分からないサーバーをインターネットを通じて使うらしいのですね。自分一人だけのパソコンとひそひそやり取りをして、自分勝手に情報をため込んで安心していては始まらないようなのです。 何人もの人間が同じ情報を使って、共同でソフトを開発するような時には、どのようにそれらの過程を管理するかが重要なのだとデイヴから説明された。「Commitしたか、Updateしたか」とちょっと作業をするたびにチェックされる。 「このフォトショップは細かいから、オフィスではこれ位で切り上げて、あとは家に帰ってからドドーンと大型スクリーンでやって、それをコミットしよう」と、決める。さて、家に帰って同じデーターを取り出しても、オフィスでやったものがちっとも反映されていない、「あれは無駄な作業だったのかしら」などと、Commit とUpdat

Millennialは良く働く。

だんだん自分の城wが築かれていく ワインがどういうわけか飾られている Millennialは良く働く、というのが夏のインターンシップが始まって二週間たった後の印象だ。とにかく、テクノロジーに強い。アイデアがどんどん湧いて出てくる。 「こんな風にしたらどうかしら?」 「この、なんと言うか、、、パーッと明るく訴えかけて、しかもシンプルで、、、」などと、もと読売ジャイアンツの長嶋さんのようなことを言っていると、Mac Bookを片手に抱えて、 「じゃ、こういうのはどうでしょう?」と新しいプランを見せてくれる。私のように、コンピューターはマウスがないと上手く使えない世代ではない。彼らはマウスというものを使わないで、指でこすったり、さっとタッチするだけ。もしかしたらマウスの存在を知らないかもしれない。 AppやWebデザインはもちろんITが一緒に動いていかなければ話にならないのだが、IT担当者を巻き込んで、自分たちでプロジェクトをどんどん進めている。 私が鉛筆なめなめデザインしたAsatte Pressのロゴは長方形だったために、FacebookやWebの小さいロゴのスペースからはみ出してしまう。それを正方形に変えるように(SVGフォーマットで)言われていたグラフィック担当者はそれを終えた。去年の夏、Adobe Illustratorで私が上手くできずに、「もうやだー」と言って、デイヴが計算して数値で置き換えて作ったものを、若者はちゃんと指示された通りにやった。おちゃのこさいさいのような顔をしていた。 「今の若い奴らは仕事の仕方を知らないし、何考えているのかわかったもんじゃない」などと偉そうにしているオジサンは、本当のところ自分が時代(新しいテクノロジー)に置いてきぼりにされるのが怖くて吠えているんじゃないかな。経験から培った生きる上での知恵は別として、彼らはオジサンたちが苦労して開発してきたテクノロジーを吸いながら育ってきた。そして新しい方向に持って行ける知識と情報を持っている。 抜かれることの恐れを抱いて吠えている人、嘆いている人がいたら、その気持ちと面子はその辺に転がしておいて、きっちりと、はっきりとやるべきことを指示してうまく働いてもらうことを考えたほうが賢いと思う。 もっとも、景気が悪いために、