普通の作家は本を売りだしたら、その本の注文が、どこの誰から入ったなどと気にしないと思うのだが、私たちの本は勢いよく売れているわけではなく、また、オンラインで注文が入ったものを自分で送付しているので、どこの誰かがわかる。 「おおっ、注文が来ているぞ」 「どこの、誰かしら?」 と、オンラインストアの注文リポートをわくわくしながら見ていたら、 今日の注文は、何とデイヴの大学時代の友人からだった。彼らは大学時代には年中一緒の行動をとっていたらしいが、就職し、結婚して家族を持つとその関係も薄れていった。ことに、我が家は日本とアメリカを行ったり来たりして、友達はオーストラリアに移ると一層連絡が途絶えがちになった。 デイヴは古い友達の誰にも本を出版したことは言っていなかったので、友人は偶然、Googleか何かでサーチしてデイヴの近況と本のことを知ったのではないだろうか。 本の送り先はOxfordのカレッジになっていた。明らかに友人の息子さんはOxfordで学んでいるのだろう。この、American Techie 父さんが若い世代(我が家の息子を含む)のために書いたエチケット本を息子さんがイギリスのエリートたちに見せたら、彼等は大笑いするのではないだろうか。 「ふん、アメリカ人は無知だな」とエチケットの大御所たちは言うかもしれないし、 「先っぽの矢鱈にとがった靴は買うな」とか、「可愛いファッションモデルとロマンチックに太平洋の日没を見ながらウォッカを飲むんだったら、ファンシーなブランド物を買う価値はあるけれども、遊び仲間と大騒ぎしながらカフェインドリンクと混ぜたり、ゴミ箱を使って大量のドライアイスを入れたドリンクを作るんだったら、もう安いのが取り柄というだけのウォッカで十分じゃないか」というようなコメントを面白がるかもしれない。 また、地元オースティンの私立大学の図書館からオーダーが来たのにもびっくり。しっかり、割引コード付きで注文をしてきたので、明らかにTexas Book Festivalで私たちのブースに来て、ブローシュアを取って行ったか、取って行った人から、そのブローシュアを渡されて、「まあ、いいか、一冊くらい注文してみようか、試しに」ということになったのかもしれない。いずれにしても、嬉しい。
Texas Hirame at Asatte Press Inc, Austin,Texas