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12月, 2014の投稿を表示しています

人を簡単に解雇できるシンガポール

「シンガポールでは簡単に人を解雇できます。その日のうちに辞めさせて、しかも解雇の特別手当のようなものは要りません。日本やヨーロッパと正反対ですね。」 と、東京でHRを担当していらっしゃる女性から話を聞いた。宿泊中のホテルのランドリールームで軽くおしゃべりするうちにビジネスの話に発展したのだ。 彼女はアメリカのボストンにある会社の日本支社で働いていて、シンガポールに出張でよく訪れるとのこと。 「文句は出ませんか?」 「出ないですね。あっさりと辞めて行きます。日本だったらもう大変ですよ。本社の方は、シンガポールみたいに何で手早くできないんだ、って言うし」 「次の仕事が簡単に見つかるからかしら?」 「そうかもしれないですね。あっ、それから、シンガポールって税金がすっごく安いんですよ」 「ビジネスがやりやすいようにかな」 「個人の所得税なんかも8%くらいだったと思う、新入社員なんか3%くらいで、もらったお給料まるまる使えちゃう。 シンガポールの同僚と話していたら、彼女『29歳で結婚もしていないし、する予定もないから、将来のためにコンドをかった』って言うから、幾らだと聞いたら1億2千万円だって。たったの29歳の女性ですよ」 「なるほど、それで納得。新聞の不動産広告を見ていると、650Sqfで、ワンルームに書斎付きで1億円越えるんですよね、それが完売間近なんて出ているの。バブルでしょう、どう考えたって」」 「5年前は6000万円くらいだったから、これからも値段が上がっていくって期待してるんでしょうけれど。。。」 島中の高層のコンドやアパートは個人が、オフィスビルは企業や投資家が値上がりを期待して買ったり、建てているのでしょう。 「様々な企業の本社もどんどん東京や香港からシンガポールに移ってきていますよね。赴任者も安全で住みやすいと好評ですし。それに、こちらの人はすっごく良く働く。それも、女の人が。彼女たち、子供がいてもメイドや親に見てもらうから、泊まりの出張なんかも、ばんばんしちゃう」 「でも、はっきり言って、ここはお金関係はいいかもしれないけれど、それ以外は何もない所ですね。芸術なんかほぼゼロ。博物館、美術館の内容なんて見るに足らない。映画もハリウッドの子供向けが5本くらいしかない。コンサートも無い。オフィスに行って、お金を数え

シンガポールで進む高層公共住宅と発展計画

Newly built Public Aprtment Buildings (HDB Apartment)in Punggol, Singapore Punggol Park Punggol Station on December 25, 2014 3週間のシンガポール滞在で行動起点はホテルのあるClarke Quayだが、地下鉄に乗って、北の終点Punggolに何があるのか見に行った。 そこで見つけたモノは数え切れないほどの公共住宅群。既に終わった駅周辺の信じらない数のアパートだけでは十分ではないらしく、公園からは沢山のクレーンと工事中のビルが見えた。クリスマスの朝の駅は人影がなく、駅周辺にカフェと呼べるような場所もなかった。 これからどんどん、そうした生活の場が設けられていくのだろう。駅内には住宅のナンバーと位置が掲げられていたが、写真に収め切れなかった。 住宅群と公園を抜けて、ずっと歩いて行くとマレーシアが目の前に見える海があった。しかし、一体幾つの公共アパートを建てるつもりなのだろう。

シンガポール, 建設ラッシュ。借り手がいなくても不動産投資

Clarke Quay(クラークキー)のホテルのベランダから外を見ると、右側に遠く建設中の高層ビルが二つ見える。ちょっと先のチャイナタウンの一角からも工事音が聞こえる。 グローバルな会社が集まる、既に開発を終えたのではと思える中央地区から、島の端っこの公団住宅地域、Pasir Risに至るまで高層ビル(住宅)が建設されている。 Pasir Ris Central付近 これほどまでにして住宅スペースを供給しないと追いつかないほど人間がいるのだろうか。 仮に今現在、不足していたとしても出生率の低いシンガポールでは、早晩不要な経済的お荷物になってしまうのは目に見えている。無いとしたら、神業的に経済発展をし続けて、人が集まり続けるという条件が必要ではないだろうか。 税金逃れに大量のお金を運んで来て当地に住みたいという人が後を絶たないのは承知しているにしてもだ。 誰かにここんとこを聞いてみたい、と思っていた。そうしたら、ホテルのエグゼクティブクラブでたまたま隣に座った日本人カップルと話すことがあり、彼らの息子さんが金融関係のお仕事をされていて、「青い高層のコンド(マリナベイにある3つのビルに違いない)」に住んでおられることが分かった。 そこからシンガポール経済、不動産のレクチャーを受けた。 「シンガポールのアパートでの入居率は30%くらいのものですよ。今の建設ブームは圧倒的に投資目的ですね」 「で、新しいコンドなんかは平均1ミリオンシンドル(約9000万円)くらいするでしょ、シンガポール人てそんなにお金持ってるんですか?」 「そりゃ、いろんな金持ちがいるし、海外から投資のために来ますからね」と。 それに応えて、デイヴが 「僕たちはテキサスのオースティンから来たんですが、ダウンタウンのコンドは結構な値段で飛ぶように売れる。だからと言って、そのコンドに人が住んでいるとはとても思えない。世界中にいる、0.1%くらいの大金持ちは、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、シンガポールなんかに、投資だけの目的でビルやコンドを売り買いするんでしょうね」 「面白いのは、中国人は風水で投資の時期を決めたりするんですよね。ビルも水の色はお金が流れる(集まる)いい色だというんですね」 今朝のThe Straits TimesのMone

Merry Christmas! from Singapore

Merry Christmas! 「のび太君、僕、光栄なことにシンガポールで一番人気のツリーに選ばれたんだよ」- ドラえもん                             The Strait Times, December 23,2014 Draemon Christmas Tree @ One Raffles Place, Singapore

Executive Club - 知らない人とは話さない

夕方7時頃ホテルのビジネス長期滞在者やクラブメンバーが集まるエグゼクティブラウンジに行く。 シンガポールでは一体にアルコールの値段が高いのだが、このラウンジでは無料で飲めるのと、ちょっとしたサンドイッチやチーズなども出されて仕事が終わってホテルに帰り着いてリラックスするのに最適の場所だ。 グループで来ている人は声高に談笑し、一人で来ている人は本を読んだり、iPadに見入ったりしている。ラウンジ全体がびっちり一杯になる事はなくて、お互いに自分(自分たち)のスペースを確保できるように座っているみたいだ。顔を見知っているからと言って「あっ、どうも」と挨拶するわけではなく、だからと言って敵愾心を持っているわけでもない。 一日が終わって、もう人と係わり合いたくないので、お互いにそっとしておこう、ということなのだろうか。 つまらなそうに口をへの字に曲げて外を見ながらワインを飲んでいる人も、その一人の静かな時間を楽しんでいるのだろうか。 目の前に座っている連れ合いは一日の出来事を逐一報告してくれる。私がいない場合には、この人もやっぱり黙ってキンドルを持ち込んで、ワインを飲みながら日本語の本でも読んでいるのだろう。ここでは、ノルウェイ、スコットランド、ドイツ人などが多いようなのだが、アメリカ人やラテン系の宿泊客が増えても雰囲気は変わらないのだろうか。

シンガポールにいる、あるコンサルタントの生活 - 朝5時40分に起床する毎日

シンガポールにコンサルタントの仕事できている夫と一緒に12月一杯を過ごすことにした。 一日の始まりは朝5時半。滞在しているClarke Quayはまだネオンが灯っている。iPadから流れる進軍ラッパならぬ、軽いジャズ音楽を聞きながら、よろよろと起き出す。 シャワーを浴びて、服を着て、弁当をパックする。その弁当の内容はパン2枚、ハム類、トマトのスライス、グリーンオリーブ。 6時半にホテルのカフェテリアに下りて行くと、3分の1くらいのテーブルは既に埋まっている。夫のように、シャツ、ネクタイ姿の人はそのうちの半分いるかいないか。ロゴ入りのポロに、カーキか、ジーンズを穿いた人たちが多い。 7時になると、タクシーに乗って彼はJurongの造船所に出かけて夕方6時半頃電車・地下鉄に乗ってホテルにたどり着く。 シャワーを浴びてエグゼクティブラウンジでワインを飲みながらリラックス。その後、食事に出かけるというパターンだ。朝6時半にカフェテリアにいた人々がこの同じ場所に集まってくる。 こういう生活を4週間過ごしてオースティンに帰ってくるのだな。 コンサルタントにも様々な種類があるのだろうが、夫のような造船関係のソフトウェアインテグレーションなどは、経営の裁量権を持つBig Guyからは離れた地味目のコンサルティングだろう。「金のなる木」を育てたり「無いモノ」を「あるモノ」に仕立てたりできるホットショットの方々とは違って「石橋を叩く前に、その石橋の作り方」の心配をするような人だ。 いろいろな人がいて、それぞれに合う場所があるということだ。 シンガポールは一体にプラグマティックな社会みたいだという印象を持った。