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9月, 2013の投稿を表示しています

ブッククラブ(読書会)がGeneration Y の間でソーシャルツールになった

アメリカの若者は本を読まないのだと思っていた。昨今は大学の多くが図書館のスペースを減らして、メディアルームに変え、そこで学生は居眠りをしたりしている。 考えたことや意見は顔を突き合わせて話し合わずに、ソーシャルメデイァ一で発信し合うのだと思っていた。それが、つい2,3日前に、 「今度のブッククラブ(読書会)はオスカー・ワイルドをやる」と24歳の長男が言った。 それを聞いて、椅子から落ちそうになった、というのはオーバーだが、とにかく驚いた。 彼はある意味、今のアメリカの英語教育の犠牲者かもしれない。特に高校では本を深く読む楽しみ方は脇に置いて、作品の解読を素早くできるようにトレーニングしている(ように思える)。生物のクラスのように、登場人物の性格や関係を解剖して、それをまとめる宿題を出されたりするうちに、本を読む=苦行と感じられる若者がいても不思議ではない。それを上手にできる学生、また、上手に教えられる先生も沢山おられたけれども、彼の場合は生憎そうではなかった。 教科書、本、新聞、雑誌などを開くことは稀で、殆どの情報はインターネットから収集しているようだった。「本を読んだら?」などという時期はとっくに過ぎて、余計なお節介。大方の若者がそうであれば、彼もその世代の一人なのだ、と理解していた。 それが、どこでどうなったか、読書会に参加しているらしい。オスカー・ワイルドの次はハックスリーの「素晴らしい新世界」"Brave New World"を読むのだと言う。この本も高校の読書リストに入っていた筈。「やだなー、つまんねなー」と、その頃は思っていたに違いない。どんな仲間と読書会をしているのか分からないけれども、きっとどのメンバーも宿題のプレッシャーがなくて、単に楽しみのための読み物としてページを開いたら、面白くて、大変な発見をしたのかもしれない。 読書会の間、スマホはどうしているのだろうか。ポケットの中で、珍しく一人で暗く眠っているのだろうか。

バイオメトリック認証チャレンジ - IEEE(電子電気学会) 9月号会報より

アメリカに来てから私は2年前迄、ずっと期限なしのグリーンカードを使っていました。移民局は新しいバイオメトリック認証ができるカードに切り替えることを勧めていましたが、古いカードを使っても違法ではありませんでした(今も合法かどうかは、分かりません)。日本から帰った時にロスの空港で堂々と入国検査官にカードを見せたところ、彼は、 「この若い頃の写真と、今のあなたはかけ離れていて(ガーン、ショック)、とても同一人物には見えません。そろそろアメリカ市民になるか、新しいバイオメトリックスのグリーンカードに変えた方がいいですよ」と言いました。とても正直な人ですね。 取り替えるのは面倒だと思いましたが、この先、どのような出来事に遭遇するかもしれず、そんな時のIDが、長い黒髪に口元の締まった写真で「このグリーンカードは誰のものだ」などと言われても困ります。納得して新しいものに替えました。450ドルくらいの手数料で有効期間は10年です。 ところで、例の生体認証、この私が若返りたいと整形手術を受けたらどうなるのでしょうか。整形手術はモノによっては認証の専門家にもチャレンジらしいですね。 普段は読みもしない、IEEE ( 電子電気技術学会)の9月の会報に "The Next Biometric Challenge: Medical Alterations"という面白そうな記事がありました。 この地球上に同じ人は二人といないという、全くもって単純な考えに基づいて、顔の造作や指紋をデータ化して認証に使うのですが、悪い人たちはさっさと自分の顔形、指紋なども取り替えてしまうらしいです。 日本から国外退去をさせられた27歳の中国人女性は2009年に右手と左手の指紋を取り替えて、再び入国を試みたと、その困った例として挙げられています。手術費用は1万4600ドルだったそうです。それが、実例として記載されているということは、この人の努力は報われなかったのでしょう。 「あのねー、右と左の手の指紋を交換してもね、あなた、右左に関係なくデータはちゃんとあるのよ」とか何とか、鋭い日本の入国審査官の目を誤魔化すことはできなかったのですね、きっと。 「いいわよ、次回は手と足を交換するから」と言うかもしれません。アリゾナ州では、麻薬関係者が2万ドル也で、足の裏の皮膚を指に移

音沙汰のない、戻ってきたインターン

「親方の下に戻って職探しを続けろ」と言われて、8月に戻ってきたインターンは、前と比べて明らかに太めになっていた。本人も認めていたけれども、そうなる生活をしていたのだろう。戻ってきてからは朝10時から4時まで、私たちのオフィスで、お仕事の職探しとJava Scriptの本を読んでいた(みたいだ)。 3日前(9月9日)、月曜日の午後のこと。黒いスーツに白いシャツ、ネクタイでオフィスに現れて、前にインタビューに行った会社から再び会いに来い、とメールが来たから行って来ると言う。 「プロフェッショナルに見えるよ、頑張って行ってらっしゃい」と送り出した。 その後、どうなったかさっぱり分からない。 二度目のインタビューがうまく行って「明日から、出社しなさい!」と言われて、「ほいきた!」と火曜日から働き始めているのか、断られてふさぎ込んで穴に潜り込んで出てこないのか、何も分からない。私たちは彼を雇っている立場ではなく、頼まれて「見習いとして居させる」というスタンスなので、彼を探し出して来て、 「こら、真面目に働け」とか、「どうしたの、オバサンに気持ちを話してごらんなさい」という責任はない。でも、自分の子供と同じような年の男の子だし、この年代の子、特に男の子たちが職探しに苦労しているので、何とか手助けしたいとも思って、できるだけのことはしている。 しかし、これは私の一方的な思い込みで、自分の子供も含めて、若者は「年寄り」が面倒をみてくれているなどと省みることはしないだろう。自分のことだけで精一杯だし、私自身も若い時には不遜で無礼な人間だっただろうと思う。 彼のインターンシップは、親がアレンジしたものだった。 ゲームデザインの学位を手にしたものの、ぐずぐずとして職にありつけずに、レストランで下働きをしていた。彼自身は、 「父親がファーストフード産業にいたから、それを体験したかった」と私に説明した。 父親が、そろそろ、別の事をしたらどうかと、同じキューバ系でテック業界にいる幼馴染に「誰か雇ってくれる人を探してくれないか」と頼んで、その幼馴染がデイヴに、「インターンとして使ってみてくれないか」と頼んできたのだった。自分を取り巻く「年寄り」が、自分の事を気にかけてくれている、などとは思っていないかもしれない。父親の友達は彼のために自分の子供の部屋をあてがって、部